「しんぱっつあん……。」




「………。」




「生きてるか?」




「…っち、うるせえな。」




「んな、怒んなよ。」




「怒ってない、苛つくだけだ。」




「それを怒ってるって言ってんだよ。」




あー、本当苛つく。
ただでさえ苛つくのに佐之は白々しく俺に原因を聞いてくる



俺がこんなに苛つく事の発端は今から半刻前に戻る
あれは巡回から帰ってきた事だった



「今日は楽しかったです。たくさんありがとうございました。」

「…ん。また行こうな。」

「はい。また、誘って下さいね。」

「じゃ、また後でな。」



月子が斉藤と楽しく話してるのが見かけた


別に月子が斉藤だろうが山南さんだろうが仲良く話してる所見ても嫉妬はするけど腹はそんなに立たない


…それ何り腹は立つけどな



ただ



「月子、目を瞑れ」


「…?はい。」



何をするんだ?と思いよく目を凝らして見たら、斉藤はこちらをちらりと見て月子の頬に口付けた



(あの野郎…!)



「きゃっ…。」

「…っ!」

「斉藤さん…、何したんですか?くすぐったい…っ!」

「す、すまん!つい、お前がかわ…いや何でもない!」



(あ!またあいつ口付けしやがった!しかも唇の際どいところに!)



月子の恋仲出ない癖に口付けするとはあいつは何様のつもりなんだ、と斉藤への嫉妬が積もってゆく




「さ、そろそろ部屋に入れ。」

「はい、分かりました。では、また後で」




最後に斉藤は月子の頭を撫でてやると満足そうにこちらへと歩いてきた