「ただいまー。」

家に着くのはだいたい20:00前。
誰もいない暗い空間に意味も無く挨拶をする。
当たり前に何も返ってこない。
こんな生活ももういつからかも、忘れてしまった。


私はボスッと音を立て、ベッドに飛び込む。
見計らったように鳴る携帯の着信音にだるい体を持ち上げて携帯を見る。

そこには今日もまた親友の池田 奈緒(イケダ ナオ)からのメッセージがあった。

〝バイトお疲れ様!〟
〝今日もどうだったのー?( ̄▽ ̄)〟

相変わらずの内容に笑いが漏れる。
どうだったの、とは春君のことだろう。

〝ありがとう!〟
〝今日も特に変わりなく!かっこよかったよ〜(*´ー`*)〟

と返信してから携帯を置き、夕飯の支度に取り掛かった。

大体のことが終わって少し暇ができたのは22:00だった。
そういえば……と今更思い出して携帯を開く。

案の定、返信はもう来ていた。

〝良かったねぇ笑〟
〝今日は何の花飾ったの?〟

〝黄色のチューリップだよ!〟

〝今日はどんな意味かな?( ´罒`*)✧"〟

そう、私の飾るオススメの花。
それはいつも、花言葉を意識して飾っている。

オススメの花は基本常連さんしか買わない。
その常連さんも毎日来るのは春君ぐらいだ。

だから、私の飾ってるオススメの花の花言葉は全部春君に向けられているもの。