慧side
俺が亜樹を教室まで迎えに行った時
亜樹は俺が振ったはずの
亜樹の親友と一緒に仲よさげに話していた
親友と言えど
自分の好きだった相手を友達に取られたのだ
普通なら、絶好しても可笑しくないシチュエーション
なのに亜樹は彼女と仲良く話していた
ましてや、最後に友達が亜樹に向かって放った言葉
口パクで言ったのだろうが、すぐに分かってしまった
『頑張って』
その一言
あんなのを見せられたら、疑わずにはいられない
亜樹は本当に俺のことが好きだったのか
俺に言った言葉は本当だったのか
頭の中に
たくさんのことが入り混じる
交差し合って、どれが本当なのか分からない
喫茶店に入って俺は、亜樹にたくさんの質問を投げかけた
だけどそれに対しては
どれも嘘が感じられなかった
やっぱりあれは俺の思い違いだったのか?