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「入ってきても構わないよ」
医者の声が聞こえ
俺は病室の中に入る
「もう大丈夫ですよ。
一週間くらいで退院出来ると思います」
「ありがとうございます」
亜樹のご両親は深々と頭を下げる
それにつられて俺も頭を下げる
「亜樹、外にいるから、何かあったらいいなさい」
「うん」
「えっ…お母さん?」
戸惑っている俺に亜樹のお母さんはニッコリと微笑んでくれた
俺にくれた時間だ
ご両親が出て行った後
俺はベットの横に座った
「本当に心配した、守ってやれなくてゴメン」
ギュッと亜樹の手を握りしめる
「ううん、あれは突然のことだったし、仕方ないよ。
それにそれまでに慧は私にいっぱい謝ってくれたから
これ以上の謝罪はいらないよ?」
俺が負わせてしまった傷といっても過言ではないのに
亜樹はそれでも笑ってくれている
「私には慧がいてくれるから」
「でも!」
「だったら、これからもずっと、私の隣にいてくれることを誓いますか?」
あぁ
もちろん
「誓うよ。俺には亜樹しかいないから」