□■□■□
いろんな人に速水さんの居場所を聞いて
やっとの思いで速水さんにたどり着いた
屋上に居た速水さんは
フェンス越しに下で行われている文化祭を眺めている
「おい、速水」
望月慧が声をかけると
ビクッと肩を上げて、ビックリする速水さん
「あんたが亜樹を襲うように指示したんだってな?
聞いだぞ?」
速水さんは前を向いたまま
「だって…いつまで経っても気付いてくれないんだもん!慧くん!
私が慧くんをどれだけ想っているのか」
そう言うと、こちら側に体を向け直す
「俺には亜樹しないねーよ」
グイッと肩を抱き寄せられる
「そんなこと、始めったからわかってた。でもさ、何がなんでも手に入れたかったの!
私が手に入れられないものなんてないの!」
手で大きく表現しようとする速水さん
「だが、俺は手に入らなかった。
あんたの負けだよ、速水」
「いえ…まだ負けてないわ」
カチャ
と音が聞こえた瞬間
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
腹部に強烈な痛みを感じた