洗い終わった洗濯物をカゴ一杯に乗せ、外にある物干し場へ向かう。


眩しいくらいの陽射しが葉の隙間を縫うようにさんさんと降り注ぐ。


風に揺れる木漏れ日が優しかった。


洗濯物を干すにはぴったりの天気だ。


ひとつひとつ洗濯物を干しながら、私は昨日までのことを思い返した。




2日前、満月の夜だった。




月がきれいな夜だった。


夜にしか咲かないという美しい花が、今日の夜咲いた、と狩猟に誘われ、私と狩猟は森へ向かった。


けれど、歩けば歩くほど、うっそうと生い茂る森の奥へと迷い混んでいるような心地がして、不安で仕方なかった。


そんな気持ちを持ちながらしばらく歩き続けていると、不意に狩猟は足を止めた。


継母である王妃の命令で私は殺されることになった。


狩猟はそう言い放った。


でも、狩猟は私を殺さなかった。


私が絶望にくれていると、そのまま私を置き去りにして帰ってしまった。


私は途方にくれた。


継母に嫌われ、命を狙われ、そして、薄暗い森でひとりきり。


どうしよう、と思った。


これからどうやって生きよう、と思った。


その時だった。


歌が聞こえた。


ハイホー、ハイホー。


高らかに、楽しそうに、歌う、誰かの明るい声。


歩きにくいヒールの靴を脱ぎ捨て、私はその声を追った。