翌日、目が覚めると昨夜散々抱きしめていたはずの唯の姿が無くて。


ベッドサイドの小さなテーブルに【ちょっと散歩に行ってきます】と可愛らしい字で書かれたメモを見つけた。


「………誘ってくれればいいのに」


唯のことだから、寝ている俺に気を使ったんだろうな。


軽井沢散歩なら今日の自由行動で一緒にできるから、と自分に言い聞かせて顔を洗い着替えた。


そして何気なく窓の外を見ると別荘の庭先にあるベンチに唯と充が座って話をしているようだった。


充だけジャージ姿ということはたまたま庭先で会っただけだろうが、


充と唯がふたりだけということが、かなり面白くない。


充は俺の親友だから唯も気を許してるんだろうけど、あまり他の男にあんな可愛い顔を見せないでほしい。


しばらく見ていると会話が終わったのか、ふたり揃って別荘の中に入っていく。