次々に周りの線香花火の火種が落ちていき、最後に残ったのは俺だった。


「やった。じゃあ俺の願い事は叶うんだ?」


「おい、哲。何、願い事したんだよ?」


大志が俺の肩を組んでのし掛かりなら聞いてきた。


「秘密」


唯の方を見て一言そう呟く。


ーーー唯が幸せになりますようにーーー


そんな願い事を火種に込めた。



唯は偽りの彼女だけど、俺は好きとすらまだ言えない彼氏で、


そんな偽りだらけでで固められた関係だけど、唯が幸せと笑える日を、いつか唯に贈りたいと思う。