みんなでワイワイと騒ぎながら楽しんだ花火も残りは線香花火のみで。


「普通にやるのつまらないから、願い事しながらやろうよ!」


「願い事ですか?」


唯の問いに由香里は面白そうに頷く。


「そう。みんなで一斉に火をつけて願い事するの。で、最後までついてた人の願い事が叶うって。まぁ、願掛けみたいなもの?」


由香里の提案にみんな賛成して静かに花火に火を灯した。


由香里が思いつきで提案したただの遊びなのに、みんな静かに自分の火種を見つめている。


隣の唯をチラリと見ると真剣な表情で火種に視線を送っていた。


唯の願い事ってなんだろう?


自分の火種に視線を戻し、そっと瞳を閉じる。


俺の願い事……。


自分のこと……、由香里のこと……。


俺の願い事はーーー