「……だったら?」


「べっつにー。あっ、そうだ仁奈!あのこと哲に話した!?」


「話してないよん。哲の反応、楽しみにしたいから」


あのこと?またこいつらはくだらないイタズラでも考えたのか。


「哲!このあとのプール、楽しみにしててね!」


プール?プールで何かやるのか?


充ん家のこの別荘はプールも付いていて、このあとみんなで泳ぐことになっている。


由香里と仁奈がそう言ってキッチンで作業をしている唯のところへ行って唯の手伝いを始めた。


なんなんだ、あいつらは。


それがわかったのは、ふたりが宣言した通りのプールでの出来事で、


もっと深く追求すればよかったと激しく後悔するなんて、このときの俺は微塵も思っていなかった。