「上原くん。わたし、食材を冷蔵庫に入れてくるね」


「俺も行くよ。充、先に戻ってるぞ」


充と大志にそう言って別荘内に戻るとリビングから由香里と仁奈の賑やかな声が聞こえてきた。


「ただいま戻りました」


「ただいま……おまえら、何やってんだ?」


由香里と仁奈はテレビゲームでテニスの試合をしながらギャーギャーと騒いでいた。


「あっ!おかえり、哲、唯ちゃん!」


「おっかえりぃ!あっ、ゆかりん、そこアウトになっちゃう!」


「あぁぁあああ!!哲が話かけるから!!!」


もう突っ込む気力すらない、と呆れていると唯な苦笑いしながらリビングと繋がっているキッチンへ行き冷蔵庫に食材を次々と入れていく。


「由香里さん、仁奈さん。ミルクプリン買ってきたんで明日のおやつに食べましょうね」


唯が袋から先ほど俺が見つけたプリンを手に取り見せてきた。


「やったぁ!唯ちゃん、気が効くぅ!」


甘党な由香里はミルクプリンを見ただけでかなり喜んでいた。


「あっ、このミルクプリンを見つけてくれたのは上原くんなんです」


そうニッコリ笑ってまた唯は食材を冷蔵庫に入れていく。