「あぁ!ふたりだけアイス食べてる!ずるい!!」


唯とふたりでベンチに座りながらアイスを食べているとようやく充が戻ってきた。


「フラフラしてるおまえがいけないんだろうが。それより、買い物終わったぞ」


「こっちも買い物終了!」


充がビニール袋を自慢気に俺たちに見せてきた。


「花火ですか?」


「そう。さっき由香里から電話が来て花火買ってこいって。これで買い忘れはなしかな?」


さっき電話していた相手は由香里だったのか。


「花火買ってこいってだけで、随分長電話だったな」


「あっ、まぁ、いろいろ?」


ガキのときからずっと一緒にいる充。はぐらし方くらい俺は見抜ける。


でもそこを追求してものらりくらりとかわされるんだろうけど。