スーパーに着いて唯がカートを押して俺たちが肉や野菜、酒類をカゴにバンバンと大量に入れていく。


「上原くん。見てみて、リンゴチーズだって!あっ、こっちはリンゴ酢のドレッシング!」


「さすがにご当地食材が豊富だな。あっ、唯。これは?信州牛の特濃クリームプリン」


「うん。美味しそうだね。買っていこうか。由香里さんたち、甘いもの大丈夫?」


「大志はそんなに甘いのは得意じゃないけどあとのヤツらは全員平気って……あれ、充は?」


さっきまで一緒になってカゴに食材を放り込んでいたのに充の姿が見当たらない。


唯と一緒にキョロキョロと見回すと少し離れたところで充が電話で誰かと話をしていた。


俺たちが探していることに気付いた充は片手を軽く挙げて俺たちに合図を送った。


「電話中か…。いいや、先に会計済まそう」


あの調子じゃいつ電話が終わるかわからないからな。