唯に軽井沢の件を伝えなければいけないからと、俺ひとり先に飲み会から離脱した。


その理由は建前で本当は唯の話が出て、唯に会いたくなったから、なんて恥ずかしくて誰にも言えない。


まだ日付は超えてはいないけれど遅い時間にやってきた唯の家。


唯は起きてるかと少々不安になりながらチャイムを鳴らした。


すると部屋着姿のラフな格好で出迎えてくれた唯。


「上原くん！？どうしたの？飲み会は？」


「んー。唯に会いたくなって」


恥ずかしくて普段は言えないセリフも酒の力というせいにして躊躇なく言える。


リビングのソファーに座ると唯がコップにミネラルウォーターを入れて差し出してくれた。


「お水、飲む？」


「ありがとう」


本当は酔ってないんだけどな、と思いつつ水を一気に飲み干した。