依子さんに呼出されて言葉を少し交わしたあとにホテルのだだっ広いベッドにふたりして熱に溶けていく。


そこに愛だの恋だのなんてものはない。


求めてるのはお互いの欲と空いた隙間を埋めるナニか。


依子さんを抱きながら頭ではな何度も由香里を抱く。


それは依子さんだけではなく他の女でもだけど。


行為が終わってふたりでベッドに横たわるっていると依子さんが起き上がって俺の顔を覗き込んできた。


「哲、何かあった?」


「…何か、って何が?」


依子さんの聞きたいことが分からず質問で返す。


「ココ、揺れてた」


依子さんは細い指で俺の左胸を指差した。


「心臓?」


「ふっ、違うわよ。ココロ。哲のココロが揺れてた」


依子さんの言いたいことが分からずに首を傾げる。