「あぁ!もう嫌になっちゃう!あんな浮気男、すぐに忘れてやる!!」


由香里は立ち上がり清々した表情をしながらうーんと背伸びをした。


「一条 由香里!失恋なんかに負けずに頑張ります!!…だからそんな心配そうな顔しないでよ、哲」


「由香里…」


「唯ちゃんも!せっかくのデート、変な空気にさせちゃってごめんね」


由香里はついさきほど涙を流していたとは思えないほどに気丈に振る舞うと俺たちに背を向けて歩き出した。


由香里…それがおまえの弱さだっていうこと、俺は知っている。


長年由香里に片思いをしてきたから、我慢してるということ、


俺は知っている。