何十分くらいたったのだろうか。

あの女の人は戻ってこなかった。

それから数分がすぎて、ヒールの音がしたのがわかる。
しかも走ってるような音っ。

「誰かっ!助けてっ!!!!」

あの人!戻ってきたんだ!

「そのドアを早く閉めて!早くぅぅうううう!!!!!!」

「えっ!!!!何かあったんですか!?」

息を切らしてメイクがボロボロになった顔を私の顔に近づいて言った。

「何かってもんじゃないわよ!!変なのが…!なんか、キモイのがっ!!!!」

「え」

そして、古いアンティークな電話がなった。

ジリリリリリリリン…、

ジリリリリリリリン…、

それは早く取れって言われてるみたいだった。

とにかく、ドアを閉めてそれから電話にでた。

「…もしもし…?」

「…蓮ってなかなか勇気あるよな…」

「………」


電話の返事はなかった。
電話の奥の方の音が気になった。


「ゴゴッゴゴゴゴ…ゴーーーー…」

「なにこれ…。イタズラ?」

そしてその時っ。

悲劇は起きた。