バタバタと走り、またお花畑の真ん中へしゃがむ優飛ちゃん。
耀くんは置いてあった木箱に座り、その隣へあたしにも『座れば?』と言った。
なんとなく気まずい空気の中、耀くんの隣へ座る。
「父さんは8年前に事故で死んだ。今の親父はその時の主治医」
耀くんは、溜めることなくサラリと口を開いた。
「えっ!?あっ……ごめっ……」
「だから、なんで謝る」
なんでって……。
「べつにおかしな関係だったわけじゃねーよ。父さんが死んで1年くらい経ったとき、今度は俺が事故って入院したんだ」
「……耀くん……が?」
こっそりその横顔を覗くと。
「そ。そんときの担当医が偶然また同じでさ。俺もなんか懐かしくって。どっちかっつーと、俺の方が先に仲良くなった感じ?」
ニィッと笑顔を向けてきた。
近すぎる笑顔にドキッとした。