気付いたときには、






「行くぞ。彩花」








彩花の手を引いて走っていた。









昨日と同じ空き教室に入る。








「大丈夫か?」








「だ、大丈夫、だよ」









まただ。







俺の前くらい...




「我慢すんなよ!泣きたいなら泣けばいいだろ」








彩花は泣き出した。





溜めていたものがすべて溢れるように。