「おう。......どうだった?」
間を開けて口を開いた高橋蒼汰。
『どうだった?』
何に対してかわからなかった。
「...その...彼氏と行ったんだろ?パンケーキ」
あぁ、そのことか。
「ううん、祐樹が大事な用事できちゃったらしくて...」
「大事な用事?お前との用事だって大事だろ」
「そ、それは...
もっと大事ってことだよ...。家族のこととか」
「ふぅ〜ん。
俺だったらお前を優先するけどな、家族より」
さり気なく囁かれた言葉に、
何故か私の心はドキッと音を立てる。
「わ、私と高橋蒼汰が出掛けることなんてないから!」
そう言ってその場を走りさそうとしたとき...
「彩花?」
よく聞き慣れた声。