それに気づいたのは、今まで昼間も夜も人通りが少なった道をいつも通り、親と車で走っている時だった。
その日は親が残業で保育園への迎えが遅くなっていた。
そのため例の道を通るのは昼と夜の間、黄昏時であった。
そこで違和感があったのだ。
たくさんではないが所々に人がいた。
ただ歩いているだけなら気にもしないのだがソレ等は不自然で、立っている場所も不気味であった。あるモノは電柱の陰にいて、顔はよくわからない。
またあるモノはじーっと民家を見ていた。
他にも不自然なモノはいたのだがそれらはみんな決まって存在感があったのだ。
電灯の近くにいてもシルエットは見えるのに顔がなぜが見えなかったり、ただ立っているモノはこちらを見つめていたりと、どう考えても怪しかった。
なぜかその時の私はその存在に対して、怖いという感情より先に興味があった。
なぜ顔だけ見えないのだろう。
なぜこっちを見ているんだろう。
幼い私は、それらは寂しくて私と遊びたいんじゃないか、とまで考え話しかけようともした。
それでも関わらなかったのは少しの恐怖心が私の中にあったからだと思う。
そうやって毎日を過ごしていたある日、事件は唐突に起きた。