東京の某所、自然が豊かで閑静な住宅街。
東京でもこんなに空気が澄み渡ることがあるとは都市部の人は想像つかないのではないだろうか。

そこでは時々妙な噂が流れる。
それも質の悪く、広まりやすい心霊系の噂だ。
有名所で言えば口裂け女に赤い部屋…。
しかも厄介なことに噂が流れるたび、実際に被害者が出ているのだ。被害者は必ず行方不明になって変死体で発見される。なぜか被害者が発見されると、噂はほとんどなくなるのだ。みんな、何事もなかったかのようにいつも通りの平凡な日常を送り出す。


 私がこの街にやってきたのはおよそ二年前ぐらい。親の転勤で上京してきた。親は所謂、転勤族というもので何年か住んでは引っ越し、を繰り返していた。だから幼い頃の私は人見知りはなかったと思う。それがどうしてこんな性格になってしまったのだろうか。