家を出た音を確認すると、
莉乃はそっと部屋から出た。

「おい」

ドスの効いた低い声に、
ビクッと身体を震わせる。

無言でリビングに向かおうとする莉乃の頬に、平手打ちが飛ぶ。

...っ.......!

涙目で睨みつける莉乃に対して、
父親はさらに手を振り上げる。

「なんだその目は...?お前がこんな時間に帰ってくるのがいけないんだろーが!」

パンッ と激しい音を立て、
莉乃はまた平手打ちを食らう。

これが莉乃の日常だった。