無言で部屋に向かうと、
父親の部屋から、女のはしたない
声が聞こえる。

うるさい。

うるさいうるさい。

(......こういう時間が、一番死にたくなる...なんでこんな家に生まれてきたんだろう.....)

あてつけにバンッと大きな音を立てて自室のドアを閉めると、途端に聞こえなくなる女の声。

そして数分後、誰かが慌ただしく家を出る音が聞こえた。