「…学校も、家も嫌いになったって言ってたよね?ココも?」

「嫌いになったことなんてないっ!」

〝この家も嫌い?〟と寂しそうな目をしながら聞いてくる未空に、ハッキリと言った。

俺の言葉を聞いて、〝ほっ〟と安心したように胸を撫で下ろして微笑む。


「……あったかいから。」
そんな未空を〝カワイイ〟と思って照れを隠すように違う方向を見る。

「えっ?」

「……家で、あったかい雰囲気なんて感じたことなかったから。お母さんも、お父さんも、未空も、俺にとっては大事な人達だし。」


〝大事な家族だから〟と言った瞬間、未空の言葉を聞いて、落ち込んだ。


「私もだよ!」

そんな力強く言わなくても____。

私も大事な家族だと思ってるよって言われてるようにしか聞こえなかった。