手を繋いでいる二人は
〝兄妹〟じゃなくて〝恋人〟だった。

〝カレシ、カノジョ〟として
俺が未空の〝隣〟に居たい。

___妹としてじゃない好きに気付いた。

未空を想って帰ってくるのを待った。


未空の部屋の前で待ってると、身体を大きく揺らされてるのを感じた。

「翔ちゃんっ!? おーきーてー!」


いつの間にか寝ちゃってたんだ…

目を開けると、すぐに抱きしめていた。


「遅くなってごめんね。でも、こんなとこで寝てると風邪引くよー?」


〝妹の帰りが遅くて待ってる兄〟の図。


〝妹〟としてしか見てこなかったように
未空も俺を〝兄〟としてしか見てない。

〝兄妹〟の壁は、予想以上に厚くて……

でも、それ以上に〝家族〟の暖かい壁を

〝好き〟って想いで壊してもいいのか、なんてことを考えてしまった。

でも……
他の男と一緒に居るのなんて耐えられないし〝隣〟に居たい。ずっと。


〝未空が好き、誰にも渡したくない〟

今まで悩んでたことが嘘かのように吹っ切れて案外簡単に答えが出た。