蝉が煩く鳴いている。

夏の日差しがジリジリと、教室にいる生徒達を苦しめる。
まだ夏休みにもならない今日、これ以上暑くなど考えられない。


桜田裕一は汗扇風機からの風を、一人下敷き片手に追いかけていた。

他の生徒は汗を拭いながら雑談したり黙々と宿題したりと普段どおりに朝の時間を過ごしている。


何も変わらないいつもどおりの朝だった。