公園でも少し話をして、だんだんと暗くなっていく景色に微かな焦りを感じる。
だけどそれを隠すようにして、立ち上がった。
…僕達の最後は、出会った場所に行こうと2人で決めていた。
学校の、屋上だ。
小さくなっていく足取りに、別れが近づいていることが象徴されていて。
それを打ち消すようにわざと大股にしようかとも思ったけれど、隣の沙月が気になってやめた。
沙月も同じようにトボトボと歩いていたから、小走りをさせてしまう気がしたから。
「お昼の学校をサボって、夜行くなんてなんか不思議な感じがするね。」
「ふふっ、私この前までそれやってたよっ、なんかスリルゥ〜!って感じ!」
そうだった、沙月はそれを経験済みか。
今日は沙月よりも僕の方が驚いたり初めてのことをするのが多かった気がする。
僕が『初めて』って言うと、すごく喜んでいたな。