そんな会話を繰り返しているうちに、沙月が立ち止まる。
同じように僕も止まって辺りへ目を向けると白を基調としたお店が見える。
可愛らしい一軒家のような風貌で、確かに穴場みたいな雰囲気かも。
「ここだって!」
嬉しそうな彼女の前にある扉を開けてあげると、軽やかに中に入る。
カランという心地いいベルを聴きながら、僕も後に続いた。
ケースに入っているケーキやタルトなどが色鮮やかに並べられていて、それだけで目を奪われる。
「…わあ、美味しそうっ。」
「ほんとだ、どれも綺麗だね。」
「んふふ、どれにしよう〜っ、あ、パフェ食べたい!」
たくさんの種類がある中で、彼女の目に入ったのはどうやら一際目立つパフェ。
華やかにたくさんのフルーツで彩られた姿に食欲をそそられる。
「んー…じゃあ僕はこのショコラケーキにする。」
「それも美味しそうだよねっ。でも、私はパフェと心に決めたのです〜っ。」