「彼氏は…いないよ」


もうそもそも『彼氏』っていう単語を発するのが恥ずかしいよ!


「え…うそ?」


「うそじゃないし」


紅真くんは、ありえないと言いたげな顔をしていたけど、七ちゃんはげらげら笑ってる。


「あははは!残念だね紅真くん。十波にはあたしの洗脳がばっちり効いてるから」


「洗脳?」


「男は二次元が一番だって」


「そんな洗脳された覚えないよっ!」


確かに毎日執拗にそうやって言われるけど、それが原因なんじゃない。


「ただ…告白されてすぐに付き合ってくださいって言われて、どうしたらいいの?って思うだけ。」


「ごめん、ちょっと意味が分からない。」


うーん…頭がこんがらがってきた…


「よく知らない人とは付き合えないって事かな…?」


出会って5秒しか経ってない人と付き合う、なんて事は私には出来ない。


「そんな台詞言ってみたいよ…あたし。」


七ちゃんも可愛いのに、ガサツな性格のせいで彼氏が出来ないだとか。