「んで俺まで…」


低く零された呟きは、不機嫌極まりないものだった。


(この人は…見たことないぞ…)


紅真はかろうじて昔の面影が残っているから分かったものの、この人もだよ、なんて言われたらもうどうしようもない。


「紅真くんの友達…?」


「うん。ついでに十波もね。」


悪い予感が当たったな。


でも、さすがに分からない…。


「なぁ紅真、俺眠いんだけど。」


「だから何なんだよ!知らねーよ、んなもん。」


あれ、何かデジャブ?


自由な人に振り回される紅真くん。


小学校のときもよくそれで笑ってたっけ。


確か紅真くんの横にいつもいた男の子は、染めたわけでもないのに少し茶色い髪をしていて…。


瞳を覗き込むと髪と同じ色をしていて驚いた。


そして、目の前にいる男の子も…茶色い髪に、茶色い瞳。