「え…ごめん、誰?」


私の事を名前で呼ぶほど仲の良い男の子なんて、ここ最近いなかったよね…。


「マジで…かなりショックなんだけど…。」


黒髪で片耳にピアスをつけた男の子は、誰が見てもイケメンの部類に入るだろう。


そんな人が何で私の事を知って…


「小学校ん時の事、覚えてない?6年のとき。」


5年も前のことなんて…


「あっ…もしかして…紅真(こうま)くん…?」


「やった、覚えててくれたんだ!」


小学6年のころ、私は毎日のように男の子と遊んでいた。


今から考えたらありえないことだけど。


そのとき、リーダーになって皆をまとめてくれていたのが紅真くん。


まとめるって言っても、4~5人しかいなかったけどね。


「ほら、お前もちゃんと言えよ。」


紅真くんが肘でつついたのは、隣にいた長身の男の子で。