「新也、そんなのじゃいつまで経っても友達できないよ」


放課後、部活に行く途中に紅真に説教をされた。


「別にいーよ、友達なんていなくても。お前だけいればいい。」


「新也…その台詞すっげーきわどいぞ。分かって言ってたら俺惚れるからね」


「なーに言ってんだバカ」


友達は量より質。そんな言葉聞いたことあったっけ。


「あながち間違ってないよな…」


「ん？何か言った？」


「いいや」


いらないわけじゃないけど、うるさいのはあまり好きじゃない。


「頑張れ」


小さな声でポツリと言って、すぐ目の前にいた先輩に歩み寄っていく紅真は、やっぱり人とは違う独特のオーラを放っているような気がした。


「ありがとな」


いつか、面と向かって言えたらいいなって思ったけど…


恥ずかしくて当分は無理かな。