この間も発売したばかりの新作ネックレスが即完売し、予約待ちが1年ほどになったらしい。
人気になったおかげで、利益がおばあ様の時よりも多いのだ。
望んでなったわけではないがそれなりにこの仕事にやりがいを持っている。
おばあ様の時にいた副社長はあまり使い物にならなかったのだが、智也さんが副社長になったおかげで私はかなり助かっている。
伊川先輩は高校を卒業してから伊川グループを継ぐらしい。
伊川先輩に仕事の面で支えてもらうのはもちろん、グループを継いでからだ。
半年前まで抱いていた伊川先輩への淡い恋心はどこへやら。
今では仕事にやりがいを持っているので、恋愛には興味が無くなってしまった。
そういえば、伊川先輩には彼女ができたらしいな。
どこかのご令嬢だとか。
「金代社長、全員揃いました。」
智也さんはそう言って席に着いた。
「わかりました。では、始めましょうか。」
その一言で会議は始まった。