服とか最低限の物だけ取りに行こうか。
若衆を一人連れて私は安元家に行くことにした。
部屋から出て玄関に向かっていると、途中でスキンヘッドで厳つい顔のヤスに会った。
「お嬢、どこに行くんですか?」
「ヤス、今からちょっと付き合って。」
私はヤスのごつい腕を掴み、外へ引っ張っていった。
「ヤスって、車の運転できるよね?」
「はい。ですがどこに行くんでしょうか。」
「安元家に最低限の物を取りにね。」
私はヤスの車の助手席に乗った。
それから約20分ほど車に乗っていた。
私の家の前に車を止め、一人で中に入って行った。
お母さんは買い物にでも出かけているのか家の中はすごく静かだった。
自分の部屋に入って鞄に物を詰めていると部屋のドアが開き、そこには海人さんがいた。
「どこに行っていたんだ。」
海人さんはいつもの声のトーンより幾分か低い声でそう聞いてきた。
「金代組です。私が戻ってくることはもうないです。今までありがとうございました。」
私は鞄を持って海人さんの隣を通り過ぎようとした。
だが、海人さんの後ろには伊川先輩がいて通るに通れなかった。