澤野と南が驚いたような声を出した。
「おい、嘘だろ...。」
「廉まで負けるなんて...。」
案外弱かったな。ただ私の攻撃を避けただけでもお手柄だけどね。
「次はどっちですか?まあ、あらかた予想はつきますけど。」
「千寿さん、俺とつぼみさんの審判は無しでいいです。」
「ああ。分かった。」
「じゃあどうぞ。いつでも始めてください。」
「では遠慮なく行かせてもらいます。」
私はそう言って影乃先輩を睨んだ。
すると影乃先輩も殺気をたぶん全開にして向かってきた。
「へぇ。結構殺気出せるんですね。そもそも私は出してすらないんですけどね。」
私がそう言うと、澤野と南がまた驚いた。
「マジかよ。既に智也は殺気全開だぞ。」
「さっきなんか出さなくても勝てるってことか。」
外野の言う事は無視して、私は目の前の先輩に集中する。
「じゃあ先に行かせてもらいますね。」
そう言うが速いか影乃先輩は真っ直ぐ私に向かって飛び蹴りをしてきた。
私はそれを避けて影乃先輩の横腹に重い一撃をくらわせた。
「勝者、つぼみ!」