「ていうかさぁ、なずなに彼氏ができないのって、杉浦のせいなんじゃないの?」

「なにそれ」


食べ終わったお弁当箱の蓋を閉じていたらギョッとした目でわたしを見てくる。

えっ、なんなのその顔は。


「ヘタレの世話ばっかしてるから男が寄って来ないんでしょっ!!」


はぁ!?

いくらなんでもそれはない!


「いやいやいや!ヘタレ代表の桃矢だよ?一緒に居たって誰もなんとも思わないって!」

「でも一応男ではあるじゃん?なずなとったら杉浦に呪われそ〜」


呪われるって………。

いくらなんでも桃矢はそんなことしないよ。


むしろ怖い系嫌いだもん。

ホラー映画とか面白がって見せると本気で泣いちゃうし、しばらく口を聞いてくれなくなるくらいだ。


「それに、杉浦って絶対なずなのこと好きだろうし」


へっ?

桃矢がわたしを好き?


いや……それはもっとありえない!