「なずなちゃんの役に立てて俺も嬉しいよ。花屋の息子でよかった」
「え、先輩のご両親ってお花屋さんなんですか!?」
「うん、そうだよ」
そっか、だから先輩から甘い花の香りがしたんだ。
「すごい!かっこいいです!」
イケメンな花屋の店員さんってマンガの世界だけかと思ってたけど、現実にも存在してたなんて!
どうしよう、ますます好きになっちゃう。
「ははっ、花屋でかっこいいなんて初めて言われたな」
「だって花に詳しい男の人ってかっこいいじゃないですか!」
流行りに乗ってチャラついてる人より断然いい!
やっぱりわたしは優しくてちょっぴり強引な王子様がタイプだもん。
「わたしも花は好きですけど、全然詳しくないから羨ましいです」
自分の名前でもあるナズナの意味すら知らずにここ10数年間生きてきたくらいだ。
先輩に教えて貰わなかったら、一生知る機会はなかったかもしれない。