わたしは戸松(トマツ)なずな。

前髪に付けてるナズナのヘアピンがトレードマーク。

ごく一般的な公立高校に通う1年生。


そんなわたしの日課は、お気に入りのマンガを読みながら昼休みを過ごすこと。

大好きなマンガを読みながら食べるご飯は格別に美味しくて、この瞬間が幸せでたまらない。


「よくもまぁ、飽きずに毎日同じようなマンガ読めるよねぇ。なずなの幸せバロメーター低すぎじゃない?」


そして、何度もぶつぶつと不機嫌な言葉を吐いているのは、友達の栗山蘭(クリヤマラン)。


小学生の頃からの長い付き合いだが、蘭の口の悪さはいつものこと。


別に悪口を言ってるわけではなくて、本当に思ったことを口にしているだけ。

だから良いことがあったら素直に褒めるし、嫌なことは嫌だと断固拒否する。


一言で表せば、はっきりしている人。


そこは蘭の長所でもあるから尊重しているわけだけど…………。


「てゆうか『キミしか見れない』なんてありえないでしょ。眼科行けっつーの」


今日はいつもより刺激的だ。