角を曲がる直前で、蓮先輩の姿が見えた。

笑顔で手を振ってくれたことが嬉しくて、わたしは立ち止まらずに走った。



だからーーーーーー。



「………蓮(ハス)のもう1つの花言葉は、離れゆく愛。これも、俺にぴったりだったな」



蓮先輩の唇が動いていたことに、気付くことはなかった。