桃矢のバーカ。
心の中で呟いた。
何でもかんでも素直に喋りすぎなんだよ。
これじゃあ本気で進級できなさそう……なんてたまに思ったりもする。
「うぅ………」
隣で情けない声を洩らす桃矢を、バレないように盗み見た。
先生がいるからかな。桃矢と一緒にいるけど、案外落ち着いてきたかも。
これなら楽々乗り切れそう。
と、思ったそのとき。
『ーーー佐々木先生、佐々木先生、至急職員室までお戻り下さい』
「ん、俺か」
タイミングを見計らったかのように、佐々木先生を呼ぶ放送が流れた。
う、嘘でしょ……!?
「すぐ戻るから、俺がいなくてもサボるなよ?」
「せ、せんーーーーーーー」
ーーーバタンッ