「どうせ蓮の弱みでも握って脅したんでしょ?蓮だって迷惑してんだから、別れなさいよ!」
大きな音と怒鳴り声に、ビクリと肩が震える。
一方的な言い掛かりでも、勢いに押されるとすぐには言葉が出てこないらしい。
それでも負けじと足を踏ん張り、震える唇で声をあげた。
「お、脅してなんかないです!わたしはちゃんと、蓮先輩と真正面から向き合いました……!」
「はぁ!?なに適当なこと言ってんのよ」
「本当です!」
けれど、わたしの言葉は先輩たちに届かない。
もう何を言っても伝わらないんじゃないかと思えるほど、先輩たちは聞き耳持たずだ。
きっと初めから、わたしの意見はどうでもよかったんだと思う。
蓮先輩と付き合っているわたしのことが、気に入らないだけなんだと察した。
「蓮先輩に振り向いてほしくて努力したわたしの時間を、否定しないでください………っ!」
それでもわたしは叫ぶ。
伝わらないとわかっていても、言わなきゃいけないと思ったから。