「ごめん……」
たまらず目線を下げた。
先輩が好きだから、桃矢の気持ちには答えられない。
桃矢はわたしにとって恋愛対象外の幼なじみ。
好きになるなんて無理だよ。
「拒否すんな!好きって言え!」
んなっ……!?
「無理!わたしは萩原先輩が好きなんだから、諦めてよ」
「なずなが先輩のこと諦めればいいだろ」
「やだ!」
「俺だって嫌だ」
くぅ……なんて頑固なやつだ。
わたしも人のこと言えないけど、桃矢がここまで頑なに引き下がらないなんて。
どうすれば桃矢を傷つけずに済むか考えていたのに、こんな横暴な態度を取られたら頭にくる。
ヘタレのくせに!そこまで言うなら遠慮してあげない!