蘭は思いっきり肉食系だからわたしの気持ちなんてわかんないだろうけど。
さっぱりとした気の強い美人だし、何もしなくてもすぐお誘いが来るんだもの。
モテない女はつらいよ……。
「そっかぁ〜、残念だなぁ。今回はなずな好みの“王子様”が来るって聞いてたのにぃ〜」
「えっ」
「この学校の3年生で萩原蓮(オギワラレン)って人なんだけどぉ、ほんっっとに爽やかで素敵な人らしいんだよねぇ」
爽やかで、素敵な人………?
「王子様」に敏感なわたしは、まんまと蘭の口車に乗せられている。
「ほら、なずなってこういう顔した男が好きなんでしょ?」
蘭のスマホの画面には、太陽のようにキラキラな笑みを浮かべた超イケメンが写っていた。
なっ、なにこれ………。
めちゃくちゃかっこいい!!!!!
いたいた、いるじゃん!王子様!
「やばい………運命感じちゃったかも……」
「うっわ、なずなの運命軽すぎ」
蘭に思いっきりドン引かれてるけど、そんなの気にしていられない。
まるで少女マンガから飛び出してきたような理想中の理想の人だったから。