誰かに告白をされるのは、これが初めてだった。
まさかその初めての相手が幼なじみになるなんて……。
「先輩との恋、応援してくれるんじゃなかったの……?」
桃矢はわたしに頑張れって言ってくれた。
それでも邪魔をしてくるってことは、あのときの言葉は嘘になる。
矛盾ばっかでわかんないよ。
「気が変わりました。どうしても、なずなちゃんが欲しくなったんです」
「っ……」
いつもの声。いつもの喋り方。
敬語に戻って気を引かせようとするなんて反則。
わたしはいつものヘタレな桃矢に弱いんだ。
守らなきゃ、側にいなきゃって、思っちゃうんだもん。
桃矢に恋愛感情はないけど、大切な幼なじみなのは変わらない。
だから、さっきみたいに無理に逃げたりできないんだ。