「幼なじみの間で恋愛が成立するのは美男美女に限るんですぅ!わたしと桃矢は“ただの”幼なじみなんだからさ」


桃矢がわたしを好きだなんて100%ありえない。

わたしだって桃矢を彼氏に〜、とは絶対思わないもん。


「ふーん、まぁいいや。さすがに杉浦はナイか」

「そうそうっ!わたしの理想は素敵な王子様。これ以外にありえないから」


自信満々に言ってやった。

王子様を迎え入れる準備はこんなにもできてるのに、どうして誰も迎えに来てくれないんだろう。


ちゃんとイメージトレーニングだってしてるのに。

本気で桃矢のせいにしたくなってきたよ……。


「それなら今度こそなずなも合コン来る?今日は先輩たちとやることになってるんだけど、もしかしたら理想の王子様いるかもよ」


うっ………合コンかぁ。


「わたしは今回もパス!合コンに来る人ってなんかチャラチャラしてて怖そうだし」


「眠り姫じゃないんだから王子様は待ってるだけじゃ来てくれないんだからね!今は女から動く時代!」


「むっ、無理だよ〜」


そんなこと言われたって、男経験が皆無なわたしにはハードルが高い。

いくら顔が好みでも、合コンに来るようなチャラついた人に運命なんて感じそうにないもん。