そして運命の日がやって来る。
とうとうこの町にも桜が立派に咲いたのだ。
満開に咲いた桜を、一年前見ていたあの校庭の下で、眺めていた。

風に靡くたびに花びらが華麗に舞い降りる。

ふんわりと香る春の匂い。


そろそろ私も勇気を出して誘わなくちゃ。
大きな桜の木が、私の恋を応援しているかのように、風でささやいてた。

教室に着くと案の定彼は、自分の席に座っている。
私は、不覚にもこれが最後のチャンスだと思った。

開いている窓から、吹き抜ける風に乗って入ってくる桜の花びら。

私もその流れに身を任せて彼に言わなくちゃ。
早くしないと彼が行っちゃう。