「あ、あの」

私がほんの少し震えた声でそう言うと、彼は少し驚きながらも


「何?」

と その一言だけ言った。
いつもニコニコしている彼が笑っていない。

私もしかして、何かやらかしたかも。

「特に意味はないんだけど…。
あの、今週の土曜日、11時にひいらぎ公園に来てくれませんか?」


「それって」

「来れたらでいいので」

「分かった」


彼は何かを感じ取ったのか、それを言った途端、友達の所に向かっていく。

その後ろ姿を見ると何だか切なくなる。


もしかしてこの事を話しているのかなとか、来てくれなかったらどうしようとかを、ついつい考えてしまう自分がいる。


彼ならきっと来てくれるはず。そうだと信じてる。