「今日はほんま可愛えぇ格好しとるな。」
「そんなことないですよ。平川さんもカッコいい///」


あー、ほんま可愛えぇわ。誰にも見せたない程、可愛えぇな。


「平川さんって。真子って呼べ言うてるやろ。真子って。」
「けど、まだ私、平川さんには堕ちてませんって言いましたよ。」


クスリと笑いながら言うその姿も何の説得力もなく、ゆっくり繋いだ彩葉の手、それを握り返して来たんは俺を受け入れた証。
さっきまでとは違って、水槽の一歩後ろから、二人で寄り添う様にお魚さんを見れば、もうこの世には俺ら二人しかおらんのちゃうかって気になる。


「真子さん・・・・」
「なんや?」
「呼んでみただけ。」


またもやクスリと笑われ、俺結構揶揄われてんのちゃう?って思った時には〈時すでに遅し〉なんやろな。
十中八九、お前の方が一枚上手で、俺はお前に転がされとるな。
まぁ、ええけど。


「昼にはギンらと合流や。」
「はい。」
「それまでお前を独り占めしたいねん。」
「サラリと照れるようなこと言うんですね///」
「お前にしか言わへんけどな。」


そない言うて彩葉の顔見たったら、顔真っ赤にしよって俯いてる。
ちょっとだけ勝った気になるんは、意地悪か?
しゃーかて、ほんまにあれから甘い進展は一向にないから、男として焦る気持ちはあんねん。
繋いでた手離して、腰に手回せば、彩葉も身体を預けてくる。
彩葉の鼻を擽る香りと、ふわふわした髪が鼻先に当たって、何かむず痒い。
それが俺の中心部分にグッと熱を持たせ、さらに彩葉を自分の方へと引き寄せる。


「もうな、離したないわ。ずっと、このままでおりたい。」
「さっきから歯の浮くようなこと、言ってますよ。」
「俺の本心や。言わな俺ん中で爆発しよるで。」


彩葉から俺の腰に回された腕にギュッと力が籠った。