「んー。」

俺が伸びをして起きると、もう8時前。

はぁ、またやっちまった。

無意識にめざまし止めて二度寝している俺が怖い。

と、自分でもつくづく思う。

【ドンッ!】

【バタッ!】

俺は誰かにぶつかって、相手をこかしてしまったらしい。

俺「ごめん。……って伊藤じゃねーか。伊藤も遅刻か?」

伊藤涅緒(いとうねお)。

俺の好きな人。

まぁ、こいつも俺に惚れてるし。

あ!自意識過剰じゃねーからな!

いっつも俺にくっついてきては、顔赤くして帰るんだからたまったもんじゃない。

でも、伊藤は俺が伊藤のこと好きって気づいてないだろうな。

なんせ鈍感だし、俺は、ポーカーフェイスを崩さねーからな。

伊藤「いったー。え?上田君も遅刻…じゃなくてギリギリ?」

上田君は俺の名前。

俺は、上田玲音(うえだれお)。

俺「…みたいだな。。。伊藤!カバンかせ。」

伊藤「え?わ、わかった。」

とカバンを差し出す。

俺「そのほうが走りやすいだろ。ただでさえ、長い髪なんだからさ。」

伊藤「もー、うるさいわよ。ま、もう少しで切るから。」

俺「へ?切んのかよ。やめとけ。短いのは似合わねーから。」

あー、俺もっと気の利いたこと言えねーのかよ。

長いほうが可愛いから。。って///////////

あー、無理だ頭ん中で言うだけで緊張する

伊藤「?そうかー。じゃ、切らないでおこーっと。」

俺「おう。急ぐぞ!」

伊藤「はい!」

と言いながら50m走6秒の俺と50m走8秒の伊藤。

よく俺についてきたと思う。

でも、途中でコケた。

足をくじいたらしく、周りには8時25分という遅刻ギリギリの時刻。

当然、生徒は見かけない。

それどころかひと一人いやしねー。

しゃーねーか、

俺「乗れよ。」

伊藤「で、でも。私重いし。。」

俺「遅刻してーか?」

伊藤「い、嫌です。」

俺「じゃあ乗れ。」

観念したのかおとなしく俺の背中に乗った。

こいつ案外、軽い。

俺は、とりあえず保健室に向かった。